『アルファ碁は何を考えていたのか?』読んでみた感想【囲碁本】
小松英樹九段、河野臨九段、一力遼七段のトップ棋士3名の共同著書『アルファ碁は何を考えているのか?』を読み終えましたので、僭越ですがレビューを少々書いてみました。
アルファ碁は何を考えていたのか? ~トップ棋士3人による徹底解剖~ (囲碁人ブックス)
- 作者: 小松英樹,河野臨,一力遼
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2017/12/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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本の内容
本の進行としては、アルファ碁(一部はDeepZenGo)の棋譜のある局面がテーマ図として提示されていきます。
それに対し、3名の棋士がそれぞれ別個に「局面に対する見解」「次の一手は自分ならこう打つ」「実戦進行に対する感想」等を豊富な変化図とともに述べていくというものです。
良かった点
棋士間の意見の違いを楽しめる
同じ盤面に対して複数の棋士の意見を詳しく聞くという体験は、なかなか出来ません。
しかもある棋士があまり良くないとした図を、他の棋士が次の一手に推していたり…
棋風にも依るのでしょうが、3名3通りの思考の違いを存分に楽しむことが出来ます。
何となく、一力さんの意見は他お二人と割れる事が多かったような…笑
AIの碁に興味がある方にお勧め!
アルファ碁の棋譜はDeepMind社によって無償公開されていたりするものの、私を含めて正直何をしているのか見ても分からない方が大多数だと思います。
【DeepMind社 アルファ碁の自己対局60局】
AlphaGo vs AlphaGo: self play games | DeepMind
この本では実戦に現れなかった「こう変化したらアルファ碁はこう打っただろう」という図についても多々触れられており、AIの碁をより不確定楽しめるかと思います。
残念な点
タイトルに少々違和感あり
解説の中でアルファ碁の思考について触れる場面はあるものの、メインテーマではなさそうです。
アルファ碁の仕組みと思考についての記述がもう少しあっても良かったかなと思いました。
(とはいえ他にそんな本は沢山あるからいいのか…?)
ちょっとお高め・・・
定価で2,657円と、本の内容量の割にはちょっとお高めかも…(--;)
現在Kindle版では少しお値引きされているようです。