くちなし米国ETF投資雑記

20代低所得コミュ障気味の私が、海外ETF投資や囲碁界の話題や日々のあれこれを雑文で綴るブログです。

実は結構大雑把な、愛すべき囲碁AIたち

アルファ碁登場以降、プロ棋士と同等もしくはそれ以上の実力を持つ囲碁AIがいくつも開発されている昨今。

いきなりですが、問題です。
囲碁AIの強さは、以下のうちどの場面で最も発揮されると思いますか?

① 構想力や大局感が求められる序盤戦
② 攻め合い等で難解なヨミが必要な中盤戦
③ 正確な計算能力が試される終盤戦


実は意外にも①の序盤戦にこそ、AIの本領が発揮されているのです。

反面、②のヨミといったAIのばりばり得意分野っぽい部分については、案外苦手っぽかったりします。

これらは、囲碁AIの思考方法に原因を求められます。

意外と脳筋っぽい囲碁AIたち

囲碁AIたちは、どのように次の一手を選択するのでしょうか。


囲碁は一手一手の評価付けが非常にしづらいゲームです。

将棋やチェスの駒にはそれぞれ強さに違いがありますが、囲碁はすべて同じ石ですからね。

しかも石の微妙な配置の違いによって、ある石が凄く重要になったり、カス石になったりするのです。

評価付けさえ容易に出来れば、あとはより評価の良い選択肢を探索するだけなのですが、その評価付けが難しい…


何とかAIに良い手を探させるべく、開発者達は悩み抜いた結果、非常に有効な手段が生まれました。それは…

内部で適当に沢山の手を打ってみて、たまたま勝率が良かった手を採用する

です。マジで。

『適当にサイコロ転がして打った手やけど、結構勝率ええやん!採用!』

って感じで囲碁AIは次の一手を決めているのです。
ちょっと可愛くないですか?

このようにコンピュータにランダムに大量の試行をさせて結果を得る手法を「モンテカルロ法」というそうです。

AIの大局感は凄い

このモンテカルロ法に基づくAIの碁と、人間の碁の違いは特に序盤に顕著に現れます。

人間の碁では碁盤の一部、例えば右上隅で何かしらの接触があれば右上隅に意識が行きやすいです。

強い人ほど盤面の一部分に囚われず全体を意識した手を打つものですが、AIと比べるとプロ棋士ですら比較的直近のやり取りに囚われた手を打っていると思います。
(「気合いの一手」というのもこれに近い気がします)


しかし、我らが囲碁AIは違います。

彼らは10秒前に自分がどこに打ったかなど覚えてもいません!

今、この時、この局面でどの手を打てば1mmでも勝利に近づくのか、それだけを考えてサイコロを転がしているのです。
※因みに彼らは1秒間に数千、数万回はサイコロを転がします。スゴい

人間なら当然右上隅に注意がいく場面であろうと、適当に試行した中央の手が良さそうであれば、

『お、こっちのがええやん。採用!』

とあっさり部分を捨てるのです。


そしてその部分を捨ててもこっちのほうがええ、と判断することが出来る「判断能力」「大局感」こそ、囲碁AIが人間の碁を越えた所以だと私は思っています。


…少々長くなりそうなので、囲碁AIたちのちょっと苦手な部分については、また後日記載したいと思います。

読んでいただいた方が、少しでも囲碁AIたちに親しみを持って頂けたら嬉しいです。

押して応援頂けると嬉しいですm(_ _)m

にほんブログ村 株ブログ インデックス投資へ にほんブログ村 株ブログ 海外ETFへ