くちなし米国ETF投資雑記

20代低所得コミュ障気味の私が、海外ETF投資や囲碁界の話題や日々のあれこれを雑文で綴るブログです。

貿易摩擦問題はアメリカにも大いに言い分がある

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最近よく話題にあがる経済トピックの一つに、米国発の貿易摩擦問題がありますね。

トランプ大統領は以前から米国の巨額の貿易赤字について言及し他国の貿易政策を批判してきましたが、最近では自動車へ25%の関税を上乗せを主張するなど貿易戦争も辞さない構えを見せています。

メディアの論調としては

「世界経済のことを考えない独善的な政策」 「各国は勿論米国内でも異論続出」 「またハゲがバカなこと言ってる…」

といった感じで、総じてバッシング一色です。

なかには中間選挙に向けてのパフォーマンスに過ぎないとの意見も聞かれますが、本当に今回の貿易摩擦問題はアメリカのみが悪者なのでしょうか。

少々疑問を持つところがありましたので、ちょっとだけ調べてみました。

貿易赤字は好況の証でもある

まず最初に抑えておくべきこととして、貿易赤字は経済指標として見れば赤字国にとって必ずしも悪いものではないようです。

貿易赤字とは言い換えれば

国内消費 > 外国消費

の状態であるとも言えます。

国内の経済活動や景気マインドが良好である証拠でもあるのです。事実アメリカは個人消費GDPの7割を占める消費大国です。

反対に日本はずっと貿易黒字国であり続けていますが、国内消費の弱いため海外輸出に頼らざるを得ないとも言えます。

貿易赤字の問題は富の国外流出

では経済指標としては悪でない貿易赤字を、トランプが強引に解消しようとするのは間違っているのでしょうか。

そうとも言えないと思います。

貿易赤字の最大の問題点は、国の富が国外へ流出することです。

均衡する貿易をチョコとクッキーの物々交換であるとします。この場合は純粋な物々交換であるため、富の移転は発生しません。

しかし大食いのトム君はクッキーだけでなくケーキも食べたいので、代わりにチョコとプリンを差し出そうとします。

しかし少食の太郎君はプリンは食べないというので、トム君は仕方なくチョコ+お金で交換を成立させます。

ここでより消費の少ないものへの富の移転が発生します。

こうした交換を無数に繰り返した結果、アメリカの毎年の貿易赤字額は年々積み上がり、2017年には5660億ドルまで拡大しています。

これでもアメリカのGDP比では3%程度ではあるのですが、それでも毎年毎年60兆の富が国外へ流出し続けるというのは異常としか思えません。

長年米国から搾取し続けた海外諸国

ウォーレン・バフェットは構造的な経常赤字が続く米国を、過剰な消費を賄うために毎日農場の一部を切り売りする一家に例えました。

また世界の米国以外の国が米国に対して、非意図的にとはいえ重商主義を取っていること、つまり輸出を促進し輸入を抑制して国庫を蓄える行為を行っていると非難しています。

そして、バフェットはこの貿易赤字の解消方法は二つしかないと述べています。

一つは金融市場が不安定になるほどのドル安が進行すること、もう一つが貿易政策の大幅な変更です。

一見強引に思えるトランプ外交ですが、現状の貿易赤字の解消に動こうとすればあのような動きにならざるを得ないとも言えるのです。

今後の外交交渉を中立的な目で注視すべき

確かに現在アメリカが打ち出している保護主義的な貿易体制は世界経済にマイナスの影響を与えるでしょうが、そろそろ各国のアメリカ頼みの貿易政策を転換すべきときが来ているのかもしれません。

しかしメキシコやカナダ、EU、中国、そして日本などの対米貿易黒字国にとって米国は「大金持ちの浪費家」という最高の客であり、今後も逃す気は毛頭無いでしょう。

6/9、6/10には重要イベントのG7首脳会議がカナダで開催されます。

アメリカの貿易政策を各国が袋叩きにするでしょうが、だからといってアメリカが誤っていて世界が正しい訳ではないことを念頭に入れ、推移を見守りたいと思います。

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