海外ETF分析:VWOは成長性に期待が持てる新興国株式ETF
今回はVWO(バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF)を見ていこうと思います。
米国金利上昇の煽りを受けてか絶賛下落中のこのVWO、私の資産の約12%を占めております。
それでは詳しく見ていきましょう。
VWOの概要
VWO(バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF)は全世界の新興国市場の大型株・中型株・小型株を網羅した「FTSE・エマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)」という指数に連動するETFです。
新興国株に連動する投資信託やETFは手数料が比較的高めな印象がありますが、VWOは経費率0.14%とかなり低めです。
それもあってか純資産額は2018年4月末時点でおよそ671億ドルと巨額にのぼります。
国別構成比率(18年4月末時点)
国名 | 比率 |
China | 34.4% |
Taiwan | 14.0% |
India | 11.1% |
Brazil | 8.0% |
South Africa | 7.4% |
Thailand | 3.9% |
Russia | 3.5% |
Malaysia | 3.4% |
Mexico | 3.3% |
Indonesia | 2.1% |
中国が圧倒的な比重を占めていますね。たった5年前には中国の比率は18%程度だったようですから、いかにここ数年で中国の存在感が増してきたかが分かります。
個人的には台湾の比率の大きさと、ロシアの比率の小ささに意外性を感じます。
直近のパフォーマンス
(チャートはYahoo financeより引用)
直近10年のチャートです。赤線がVWO、青線がS&P500です。チャートは綺麗な形とは言い難く、上下に大きく振れていますね。
特にリーマンショック時は下落幅が65%近くもあり、震源地の米国よりもダメージを受けてしまっています。
ここ10年でも株価は上げ下げを繰り返して結果ほぼプラマイゼロですが、昨年は好調な世界景気に支えられて31.38%も上昇し、米国株以上のパフォーマンスを残しています。
配当実績
リーマンショック後の2009年には分配金額が半減してしまっています。やっと10年前の配当水準に追い付きつつあるといった感じでしょうか。
現在の分配金利回りは2.35%程度と悪くはありません。
組入上位銘柄(18年4月末時点、上位10位まで)
Tencent Holdings Ltd.(中) | 4.8% |
Taiwan Semiconductor Manufacturing Co. Ltd.(台) | 3.3% |
Alibaba Group Holding Ltd.(中) | 2.5% |
Naspers Ltd.(南ア) | 1.8% |
China Construction Bank Corp.(中) | 1.7% |
Industrial & Commercial Bank of China Ltd.(中) | 1.3% |
Ping An Insurance Group Co. of China Ltd.(中) | 1.0% |
Baidu Inc.(中) | 0.9% |
China Mobile Ltd.(中) | 0.9% |
Petroleo Brasileiro SA(ブ) | 0.8% |
構成銘柄上位も中国株が目立ちます。
特にテンセントの成長ぶりは驚異的で、時価総額で世界10位に食い込んだ後も留まる気配が見えません。
南アフリカのナスパーズもテンセントの筆頭株主であった為に株価が上昇し、ここまでの時価総額になったようです。
まとめ
VWOの長期リターンはここ10年で見れば優れていたとは言えません。
また、米国金利上昇局面では新興国から資金が引き上げられ、新興国通貨安を引き起こすと言われており、今後も米国金利に反応して売られる展開も予想されます。
それでも新興国の世界経済に対する比重は今後大きくなっていくのは確実で、その成長を取り逃さないよう新興国投資は必要であろうと思っています。