海外ETF分析:BLVは安定性と収益力を併せ持つ米長期債券ETF
引き続き債券ETFについてです。 今回はBLV(バンガード・米国長期債券ETF )について見ていきたいと思います。
その名の通り、比較的残存期間の長い債券で構成されたETFです。中期債券ETFのBNDとも比較しながら、その特徴について確認していきましょう。
BLVの概要
BLV(バンガード・米国長期債券ETF)は、残存期間10年超の公募された全て米国債、米国政府機関債、投資適格社債等のパフォーマンスを測定する「ブルームバーグ・バークレイズ米国政府/クレジット浮動調整(10年超)インデックス」への連動を目指したETFです。
保有債券の平均残存期間は24.2年程度で、BNDのほぼ3倍です。
債券は残存期間が長いほどリスク・リターンともに上昇するため、BLVはBNDよりもリスク・リターンの高いETFであると言えます。
経費率は0.07%と十分許容圏内ですね。
直近のパフォーマンス
(チャートはYahoo financeより引用)
直近10年のチャートです。赤線がBLV(長期債券)、紫線がBND(中期債券)、青線がS&P500です。
BLVはBNDよりは振れ幅が大きいですが、S&P500と比べれば遥かに小さなボラティリティに収まっています。
また、BLVはBNDと比べてほぼ一貫して高いリターンを獲得していますね。
3者の特徴を纏めると、
リスク :S&P500>>>BLV>BND
リターン:BND<BLV<<<S&P500
といった形で、チャートにも分かりやすく現れています。
配当実績
分配金はBNDと同様に減少傾向です。ただし2018年は5月までの分配金は去年、一昨年と比べて多めです。
現在の分配金利回りは3.89%となかなか魅力のある水準です。配当は毎月1回実施されます。
格付別構成比率
債券格付 | 比率 |
---|---|
U.S. Government | 40.8% |
Aaa | 2.3% |
Aa | 5.4% |
A | 23.1% |
Baa | 28.4% |
< Baa | 0.00% |
Total | 100.00% |
一応格付け比率もチェック。政府系債券が4割以上です。
格付けAやBaaの債券がBNDと比べて多めですが、投資適格債のみで構成されているので安全性は特に問題ないでしょう。
まとめ
長期債券は短期・中期の債券と比べればリスクが高く、特に現在の米国金利上昇局面においては長期債券が最も影響を受けやすいという弱点があります。
それでも長期債券は基本的に短期・中期債券よりも高いリターンを持ち、株式よりも遥かに強い安定性を持つ優れたアセットです。
私は現状資産の4%程度しかBLVを保有していませんが、15%~20%の保有率を目指して買い増ししていく予定です。
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米国のほぼ全銘柄に投資出来るETFです。債券は株式と組み合わせてこそ真価を発揮すると考えています。